【テンビータのものがたり】 あいてのいけんをよく聞こう! へいわをあいするテンビータ
ある日のこと……。
コックーとドクピーが、みんなで食べる ごはんのメニューについて、なにやら 言いあらそいを しています。
「今日は肉りょうりをつくる!」そう言いはるコックー。
「いいや、今日は魚がいいのだ!」こう言いかえすドクピー。
「まあまあ、あつくなるのはやめましょう」
テンビータが あわてて 間に入ります。しかし、ふたりが おちつくようすは ありません。
「ちがうちがう! 今日はぜったいに肉りょうり!! 肉には きんにくを つくるための えいようそが たっぷり入っているんだ。みんなにパワーをつけてほしいから、肉りょうりは ゆずれないぜ! 」
「だめだめ、だめなのだ!! わたしがそだった地方では、むかしから『今日は魚を食べるとよい日』だと 言われているのだ!! 今日、魚を食べると かぜを引かなくなるという 言いつたえがあるのだ!! 」
……どうやらふたりには、考え方のちがいがあるようです。
「おふたりさん、それはよくないですね」
テンビータが、もういちど ふたりの間に入って、おだやかに言いました。
「あいてと いけんが 合わないときに、すぐに あいての考えを『それはちがう』と ひていしては いけませんぞよ。まずは あいての話に 耳をかたむけて、『そういう考えもあるよね』と うなずいてあげましょう。あいてのいけんを よくりかいして、それから 自分のいけんをつたえると、よい話し合いが できますぞよ」
こうふんする ふたりに、やさしく語りかけます。
テンビータの話を聞いて、ハッとするドクピー。
「たしかに、話もちゃんと聞かずに ひていから 入ってしまったのだ……。コックーは みんなのことを考えて お肉だと 言ってくれていたのに……。めんぼくないのだ……」
コックーも もうしわけなさそうに、
「おれも、ドクピーの考えを ちゃんと聞かずに 自分の言いたいことばかり 言っちまったぜ……。ごめんな……」とポツリ。
ふたりは もういちど、あいての話を よく聞いて、「おたがいに、みんなのことを思って 言った」ということを りかいし合いました。
そのあとふたりで話し合い、今日のメニューはお肉とお魚、りょうほうにすることになりました。
ふたりの ようすを 見ていたテンビータは にっこり。
「このせかいには 見た目や考え方、すきなものが ちがう人が たくさんいます。みんなが同じだったら、このせかいは かたよっていて とってもつまらないものに なります。みなさんひとりひとりがちがうから、カラフルで にぎやかな 楽しいせかいになるんです!
友だちみんなが自分と同じ、コピーされたような人だったら ちょっといやでしょう? 自分の いけんを おしつけるのではなく、あいてを うけ入れる力を みにつけていくことが だいじですぞよ」とテンビータ。
それから、みらいたうんのなかまたちは、あいてを思って 話し合いができるようになりました。ときには いけんが ぶつかることもあるけれど、それも にちじょうのなかの いいしげき。おたがいのいけんを しっかり聞いて うけ入れ、みんなが なっとくするような 答えを出しています。みらいたうんは、またまた、みーんなに やさしいまちに なったのでした。